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Plant Names and Overviews植物名と概要

サツキヒナノウスツボ Scrophularia musashiensis

サツキヒナノウスツボ(花)
分類(APG Ⅳ):
真正双子葉類 > 中核真正双子葉類 > シソ目 > ゴマノハグサ科 > ゴマノハグサ属 > サツキヒナノウスツボ
花被片の色素:
サツキヒナノウスツボの開花直後の花被片の基調となる緑色はクロロフィルに由来し、光合成能が維持されていると推測します。一方で時間経過と共に現れる赤褐色はアントシアニン類:シアニジン系の配糖体とフラボン/フラボノール誘導体の高モル比での非共有結合的な共色効果(コ・ピグメンテーション)、液胞pHにより色合いの深さや黒みが増していると推測します。
生息地:
日向~半日陰・やや湿り気のある草地、林縁、田畑、河川敷(本州 関東地方以西の都府県にて飛び地的に生息)
花期:
4~5月頃(多年草、虫媒花:推測:捕食性ハチ類 スズメバチ類やドロバチ類 etc)
名前の由来:
サツキヒナノウスツボの学名「Scrophularia(ラテン語:scrofula)」の部分は「瘰癧(頸部リンパ腺の腫れ)」に効く民間薬としての伝承から来ており、「musashiensis」の部分は令制国で言うところの武蔵国で採取されたこと(地名由来の種小名は「~ensis」で終わる形が多い)を示しています。和名は、5月頃の開花=皐月、小さい=雛ノ、花冠が臼状の壺形=臼壺が由来とされてます。
花:
サツキヒナノウスツボの花は5枚の花弁からなる5数性の合弁花で、上下に分かれた2唇形(上唇2裂、下唇3裂)の構造で、上唇内部には扇形の扁平な仮雄蕊が1本あります。
雌性先熟の性質を持つサツキヒナノウスツボは、開花初期に下唇中央から花柱が突出させて受粉可能な状態となり、受粉後には4本の雄蕊が下唇内部から突出し、葯が裂開して花粉を放出します。こうした時間的な性差(雌雄異熟)によって自家受粉を回避し、他個体間での交配を効率的に進めています。
葉:
サツキヒナノウスツボの葉は対生し、1~3cm程の葉柄を持ちます。葉身は卵形(~長卵形)、葉頂は鋭頭、葉縁は鋸歯(~重鋸歯)で、葉柄に狭い翼があります。
茎:
サツキヒナノウスツボの茎はほぼ直立し、高さは50cm程になります。対生葉の葉腋から左右に花序枝を伸ばす二岐集散花序(有限花序)で、上部では節間が詰まることで円錐状の二岐集散花序の集合体を形成します。茎の断面は四角形に近く稜があり、表面は無毛、または軟毛が疎らに生えます。
備考:
ゴマノハグサ属であるサツキヒナノウスツボが、ポリネーターとして捕食性のあるハチ類を誘引するための戦略については長くなるのでヒナノウスツボの雑記に記載します。

全体

サツキヒナノウスツボ(全体)
茎頂部で疎らな二岐集散花序の集合体を形成、花序枝の片側退化が殆ど無く対生状に見える

サツキヒナノウスツボ(花)
扇状で扁平な仮雄蕊が上唇の内側に付く

花序

サツキヒナノウスツボ(花序)
葉腋から左右に花序枝を伸ばす二岐集散花序

サツキヒナノウスツボ(葉)
葉身は卵形(~長卵形)で葉縁は鋸歯(~重鋸歯)、葉柄に狭い翼がある

アントシアニン沈着

サツキヒナノウスツボ(アントシアニン沈着)
アントシアニン沈着が茎から葉の側脈まで浸透する

サツキヒナノウスツボ(茎)
四角形に近く稜があり無毛、または軟毛が疎らに生える

Comparison of Morphological Similar Plants形態類似植物の比較

形態類似植物を見分けるポイント

パッと見では形態があまりにも似過ぎていて判定に困る類似植物を見分けるポイントを自分なりにまとめています。

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2025.08.30:「公開」ページを公開しました。