Plant Observation Record
植物観察記録
Plant Names and Overviews植物名と概要
ワレモコウ Sanguisorba officinalis
- 分類(APG Ⅳ):
- 真正双子葉類 > 中核真正双子葉類 > バラ目 > バラ科 >バラ亜科 > ワレモコウ属 > ワレモコウ
- 花被片の色素:
- ワレモコウの花被片の基調となるピンク色はアントシアニン類:シアニジン系の配糖体とフラボン/フラボノール誘導体との非共有結合的な共色効果(コ・ピグメンテーション)、液胞pH、アシル化により鮮やかさが安定していると推測します。開花数日後はアントシアニン類の低下、およびプロアントシアニジン(縮合型タンニン)の酸化・重合により赤褐色化が進んでいるものと推測します。
- 生息地:
- 日向・やや湿り気のある草地、湿地縁、河川敷、山地~低地で湿り気がなくても生息可(北海道、本州、四国、九州)
- 花期:
- 8~10月頃(多年草、虫媒花:ハナアブ類・小型ハナバチ類・イエバエ類・チョウ類 etc)
- 名前の由来:
- ワレモコウの学名「sanguis」の部分は「血」、「sorbeo」の部分は「吸いとる・吸収する」、「officina」の部分は「薬舗・薬局の作業室」を意味することから、止血薬として公認・常備されていたことが由来だと思われます。また、中国伝統医学の生薬「地楡」としても、本種は止血の用途で使用されていました。(実際にマウス実験による止血効果が確認されています。)和名の由来については諸説ありますが不明です。
- 花:
- ワレモコウの花は分枝した枝先に密集した穂状花序をつける4枚の萼片からなる4数性で、バラ科の典型である花弁展開・5数性の枠組みから外れた存在です。また、穂状花序は通常「無限花序」で下部から上部へ咲き上がるのですが、ワレモコウ属は上部から下部へ咲き下がる点も異質だといえます。
開花時の小花の萼は薄いピンク色をしており、送粉者にどの花が若いかを示す役割を持っていると考えられています。開花のピークを過ぎるとアントシアニン系などの発現変化により、赤褐色~茶褐色へと変化し目立たなくなります。(アントシアニン系発現変動の一般的な機構)
また、ワレモコウは「アンボフィリー」という風媒と動物媒(多くは昆虫)の両方の形式で受粉が成立する混合型の受粉様式を持っており、メインは虫媒ですが、風媒のみでも1~2割程度は結実します。また、同花自家和合は不成立で、隣接花による自家和合は結実はしますが、他家での結実率よりも45%程低下します。尚、雌雄異熟については断定できていません。
- 葉:
- ワレモコウの葉は根生葉が主体で、茎はほぼ無葉ですが、ごく少数の小さな茎葉が存在することもあります。根生葉は奇数羽状複葉で小葉の葉身は卵形~長楕円形、葉頂は鈍頭、葉縁は鋸歯で、早朝には鋸歯の先端に付く「露玉(ガッテーション)」を確認できることがあります。
- 茎:
- ワレモコウの茎はほぼ直立し、高さ50~100cmを超えるものも存在します。茎は無毛~ほぼ無毛で上部で僅かに分枝し、ごく少数の小さな茎葉を付けます。また、茎は赤身を帯びることもあります。
全体

花

葉

葉

茎

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2025.09.18:「公開」ページを公開しました。