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Plant Names and Overviews植物名と概要

スズムシバナ Strobilanthes oligantha

スズムシバナ(花)
分類(APG Ⅳ):
真正双子葉類 > 中核真正双子葉類 > シソ目 > キツネノマゴ科 > イセハナビ属 > スズムシバナ
花被片の色素:
スズムシソウの花被片の基調となる青色はアントシアニン類:デルフィニジン系の配糖体とフラボノール/フラボン誘導体との非共有結合的な共色効果(コ・ピグメンテーション)、液胞pH、アシル化により鮮やかさが安定していると推測します。
生息地:
半日陰・やや湿潤な林床(本州、四国、九州)沖縄で咲くのはオキナワスズムシソウ
花期:
9月頃(多年草、自家受粉/虫媒花:推測:ハナバチ類、ハナアブ類、アリ類 etc)
名前の由来:
スズムシバナの和名の由来はスズムシの鳴き始める時期と花期が9月頃と重なることから来たとされています。1961年に刊行された「牧野新日本植物図鑑」では「スズムシソウ」として掲載されていましたが、1980年代初頭に刊行された「日本の野生植物〔草本3〕」ではスズムシバナとして掲載されていることを確認しました。この期間に重複を避けるために和名が変更されたと思われます。
花:
スズムシバナの花は5枚の花弁からなる5数性の漏斗状の合弁花で、十字対生する葉の葉腋に1~2個ずつつきます。花冠筒の内側にはすじ状の模様(蜜標)があり、訪花昆虫を蜜源へと誘導する役割を果たしていると考えられます。
スズムシバナは一日花ですが、雌性先熟の傾向があると考えられ、開花初期には花柱が突出して他家受粉の機会を確保します。その後、4本の雄蕊(長2・短2)のうち長い2本が柱頭付近まで伸長し、花粉が付着しやすい状態を作り出すことで自家受粉が成立しやすくなります。さらに、一日の終盤に花被が萎凋することで雌蕊と雄蕊が接触しやすくなるといった遅延自殖の仕組みも働いている可能性があります。
スズムシバナは一日という短い開花時間の中で、まず他家受粉を試みつつ、その後は自家受粉を成立させるための保険を備えた繁殖戦略を持っていると推測します。
葉:
スズムシバナの葉は十字対生し、葉身は卵形~広卵形で、基部は楔形、葉頂は鈍頭、葉縁は浅い鋸歯が並び、縁部には微細な毛(毛縁)が認められます。
茎:
スズムシバナの茎はほぼ直立し、高さ10~80cmに達します。茎の断面は四角形で明確な4稜があり、下向きの短い屈毛が密に生えます。

全体

スズムシバナ(全体)
一日花で午前中がピーク

スズムシバナ(花)
開花間もない(雌性先熟)

スズムシバナ(花)
開花後ピーク過ぎ(後から雄蕊が伸長)

スズムシバナ(葉)
十字対生

スズムシバナ(葉)
表面にツブツブ(単細胞毛の基部)

スズムシバナ(茎)
下向きの屈毛が密に生える

訪花昆虫

スズムシバナ(訪花昆虫)
ヒメアリによる花粉の運搬を確認。柱頭への付着は未確認

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2025.09.15:「公開」ページを公開しました。