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Plant Names and Overviews植物名と概要

センブリ Swertia japonica

センブリ(花)
分類(APG Ⅳ):
真正双子葉類 > 中核真正双子葉類 > リンドウ目 > リンドウ科 > センブリ属 > センブリ
花被片の色素:
センブリの花被片はフラボン/フラボノール誘導体が補助的に関与しつつも、可視発色色素の含量が低く、花被組織の半透明性と細胞間隙での多重散乱により白色に見えると推測します。一方で花弁上に入る淡い紫色の条線はアントシアニン類:シアニジン系やデルフィニジン系などの配糖体の局所的蓄積と微量のフラボン/フラボノール誘導体(C-グリコシルフラボンの報告あり)との非共有結合的な共色効果(コ・ピグメンテーション)、液胞pH、軽度のアシル化により鮮やかさが安定している可能性があると推測します。
生息地:
日向・草地、林縁、路傍(北海道、本州、四国・九州)
花期:
10~12月頃(1年草、虫媒花:推測:ハナバチ類、ハナアブ類 etc)
名前の由来:
センブリの学名「Swertia japonica」のうち「Swertia」の部分はオランダの植物学者 Emanuel Sweert(エマヌエル・スウェールト)に因んだことが語源となります。和名の「千振」は全草が非常に苦く、煎じてから千回振り出してもまだ苦いことが由来とされています。
花:
センブリの花は5深裂した合弁花で、同数の線形の萼片を持ちます。5本の雄蕊はやや広角に展開し、雌蕊は柱頭が2浅裂します。紫色の条線が入った花弁の基部付近には楕円形の蜜腺が2つ横に並び、蜜腺の輪郭に沿って白色の縁毛状付属体が多数(およそ10本前後)不揃いに伸びます。
同じ蜜腺構造をもつ同属のアケボノソウでは、大型の訪花昆虫が吸蜜の際に花弁上を周回する行動が花粉除去および受粉に関与することが報告されているため、センブリでも同様のロジックが働いている可能性があります。 両種の相違点としては「蜜腺の輪郭に生じる縁毛状付属体の有無」が挙げられ、センブリの縁毛は軽度の障害として訪花昆虫の滞在時間の延長や花内移動の上下動を促し、葯・柱頭への接触確率を高める補助的役割を担う可能性があります。更にセンブリは草丈が低いことから、アリなど歩行性昆虫による盗蜜の抑制に副次的に寄与している可能性もあります。
葉:
センブリの葉は対生し、葉身は線形で葉頂は鋭頭、葉縁は全縁で葉柄はありません。センブリの多くは2年草のため、1年目は広披針形~卵形の表面に網目のある根状葉をロゼット状に地面近くに広げて越冬します。
茎:
センブリの茎はほぼ直立し、高さ10~20cmに達します。茎の断面は四角形で4稜あり、緑~紫色を帯び、単立、または根元から分枝します。

全体

センブリ(全体)
全草が強い苦味がある

センブリ(花)
柱頭は2浅裂する

センブリ(花)
深裂した合弁花

縁毛状付属体

センブリ(縁毛状付属体)
蜜腺を取り囲む縁毛

センブリ(葉)

センブリ(ロゼット)
1年目のロゼット状の根生葉

センブリ(茎)
茎には4稜あり、枯れ残った組織に覆われることがある

Edit History編集履歴

2025.12.22:「追加」ロゼット状の根生葉の写真を追加しました。

2025.12.10:「公開」ページを公開しました。