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Plant Names and Overviews植物名と概要

コシオガマPhtheirospermum japonicum

コシオガマ(花)
分類(APG Ⅳ):
真正双子葉類 > 中核真正双子葉類 > シソ目 > ハマウツボ科 > コシオガマ属 > コシオガマ
花被片の色素:
コシオガマの花被片の基調となるピンク色はアントシアニン類:シアニジン系の配糖体とフラボノール/フラボン誘導体との非共有結合的な共色効果(コ・ピグメンテーション)、液胞pH、アシル化により鮮やかさが安定していると推測します。
生息地:
日向・草地、林縁、道端、河川敷(北海道、本州、四国、九州)
花期:
9~10月頃(1年草、虫媒花:推測:ハナバチ類 etc)
名前の由来:
コシオガマの学名(属)「Phtheirospermum」のうち「Phtheir」の部分はギリシャ語で「シラミ」、「spermum」の部分は新ラテン語で「種子」という意味であることから、シラミのような種子であることを意味しています。実際の種子は褐色で、蜂の巣状の網目を呈しているためシラミには似ていないのですが、果皮表面に生える縮れた白色伏毛がシラミ的な印象を与えた可能性があるため、この部分も含めた表現であると個人的に推測しています。
和名の「小塩竈」は、同科のシオガマギクに似ていて、より小型であることが由来とされています。
花:
コシオガマの花は二唇形(上唇は反曲した2浅裂、下唇は広3裂)の合弁花で、対生する葉の葉腋から短い花序を伸ばし、1つだけ花をつけます。(対生なので2つ1組です。)花冠の喉部には毛帯や小さな2列の隆起、条斑が見られ、蜜標として訪花昆虫を誘導していると思われます。また、萼は合生の5歯で宿存(花が落ちても残る)します。
コシオガマの雄蕊と雌蕊は、どちらも上唇内壁に密に接した状態にて、雌蕊は花冠開口部付近まで、雄蕊は中程まで伸長し、花粉を花冠内で展開します。そのため、花被を正面から見ると、2浅裂した上唇の間に柱頭が僅かに見える程度で、雄蕊は中に隠れて見えません。
「足場や明確なネクターガイド」「背面送粉に適した内向き展開の葯」「雄性先熟(推測)」など、他家受粉のための機能を十分に備えているにも拘らず、自家受粉も可能であることが確認されています。また、半寄生植物でもある、とてもマルチな植物です。
葉:
コシオガマの葉は対生し、狭い翼のある葉柄を持ちます。葉身は狭卵形~卵形で羽状に深裂~全裂します。小羽片も狭卵形~卵形で、葉縁は重鋸歯です。
茎:
コシオガマの茎はやや傾斜し、高さ20~70cmに達します。よく分枝し全体が腺毛で密に覆われており、触ると付箋程度にベタつきます。
備考:
自ら光合成を行いつつ、半寄生植物として宿主から水や無機栄養を奪うバランスの取れたコシオガマの戦略の詳細については、同じハマウツボ科のヒキヨモギの雑記が参考になるかと思います。

全体

コシオガマ(全体)
全体的(花・萼・葉・茎)に腺毛が生える

コシオガマ(花)
柱頭は粘液性を帯びる

コシオガマ(花)
明確なネクターガイド

コシオガマ(葉)
羽状深裂~全裂

コシオガマ(茎)
粘着性のある腺毛が密に生える

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2025.10.26:「公開」ページを公開しました。