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Plant Names and Overviews植物名と概要

コバノカモメヅル Vincetoxicum sublanceolatum

コバノカモメヅル(花)
分類(APG Ⅳ):
真正双子葉類 > 中核真正双子葉類 > リンドウ目 > キョウチクトウ科 > ガガイモ亜科 > カモメヅル属(ガガイモ属) > コバノカモメヅル
花被片の色素:
コバノカモメズルの花被片の基調となる赤褐色はアントシアニン類:シアニジン系の配糖体とフラボン/フラボノール誘導体の高モル比での非共有結合的な共色効果(コ・ピグメンテーション)、液胞pHにより色合いの深さや黒みが増していると推測します。
生息地:
日向~半日陰・やや湿り気のある草地、林縁(本州)
花期:
7~9月頃(多年草、虫媒花:ポリネーター不明)
名前の由来:
コバノカモメヅルの学名「vincere」の部分は「克服する」、「toxicum」の部分は「毒」を意味することから、解毒草を意味しますが、カモメヅル属にはフェナントロインドリジジン型アルカロイドを含むものあることから、伝承レベルだと思われます。「sub」の部分は「やや・ほぼ」、「lanceolatum」の部分は「披針形」を意味することから、葉などがやや披針形であることを意味していると思われます。和名の由来については諸説ありますが不明です。(葉は小さくもなく対生する様子がカモメに似ているとも思えません。)
花:
コバノカモメヅルの花は葉腋から伸ばした短い花序柄の先端に数花からなる集散花序を付ける5深裂の合弁花で、先端の捻じれた細長い無毛の花冠裂片を外側へ大きく放射状に展開します。
合蕊柱とは「雄性部(葯・花糸)」と「雌性部(花柱・柱頭)」の融合体であり、幅広の5つ花糸部が僅かなスリット状の隙間(ガイドレール)を残して花柱を取り囲んでいます。このスリットの最上部にはクリップ機構を持つ「小体」が配置されており、左右に伸ばした連結椀にはそれぞれ花粉塊が付いています。
また、コバノカモメヅルの蜜は合蕊柱基部の蜜腺(しばしば副花冠の内側)で提示され、訪花者は蜜を求めてスリットに口吻を差し入れます。このスリットの縁は上向きの条線や毛が発達しているため下方への動きは妨げられ、逆に上方への動きが誘導されやすくなっています。この構造によりスリットの最上部から口吻を引き抜いた際に小体に挟まれ、ポリナリウム(小体+連結椀+花粉塊)が口吻に装着されます。
ポリナリウムが装着された状態で別の花でも同じ動きが行われると、スリット上方の狭窄部で連結椀から花粉塊がしごき取られ、花粉塊が柱頭室内の蕊柱頭側面(受粉面)に残置され受粉態勢が整います。
葉:
コバノカモメヅルの葉は対生で、葉身は披針形~広披針形、基部は浅心形~切形、葉頂は鋭頭~鋭尖頭、葉縁は全縁です。
茎:
コバノカモメヅルはツル性で他物に巻きついて伸長します。毎年、地下部(根茎)から1年性の新しいつツルを伸ばす多年草で、茎葉に傷を付けると乳液(ラテックス)を分泌します。カモメズル属のラテックスは透明タイプが標準的形質とされていますが、個体差はあるかもしれません。

全体

コバノカモメヅル(全体)
やや湿り気のある場所を好む

コバノカモメヅル(花)
合蕊柱は雄性部と雌性部の融合体

花粉

コバノカモメヅ(ポリナリウム)
クリップ機構を持つポリナリウム

コバノカモメヅル(葉)
基部の形状は円形・切形・心形と様々ある

コバノカモメヅル(茎)
茎や葉が傷つくと乳液(ラテックス)が出る

コバノカモメヅル(実)
熟す前の状態

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2025.10.11:「公開」ページを公開しました。